「外国由来の人」とは、何らかの形で日本以外の国や地域にルーツを持っている人、という意味で使われる言葉です。「外国人」「在留外国人」と微妙に違って、もう少し広い範囲の人たちを指しています。日本国籍であっても日本語を母語としない人も増え、そうした人たちへの支援が 抜け落ちてしまわないように、松本市で日本語支援を行うNPO法人が使い始めました。
松本市には、現在3,700人を超える「外国由来の人」が暮らしています。今週日曜に開かれた「こいこい松本」という外国由来の若者たちによる文化祭イベントは、1500人ほどの人たちで賑わいました。いろいろな国から来て松本に住んでいる若者がこんなにたくさんいるのか、と 正直驚きました。
こうした若者たちが豊かな生活を送っていくために不可欠なのが、日本語教育です。日本では、外国由来の人に向けた「日本語教育プログラム」が整備されていないため、民間ボランティアに頼っているのが現状です。松本市では、信州大学グローバル教育センターの佐藤友則教授が理事長を務めるNPO法人「中信多文化ネットワーク(CTN)」が、8年前から取り組んできました。
佐藤教授は、「日本語ボランティアになるのに、英語はいらない」と言います。そして、外国由来の人たちは、漢字は読めなくてもフランクでくだけた日本語を話すのは上手なので、「やさしい日本語で話しかけてください」と。僕も含めて英会話が苦手な人は、つい英会話を学んでからと考えがちですが、「英語コンプレックスを強化するだけなので止めた方がいいです」とやんわり と言われました。
佐藤教授が危惧しているのは、外国人の間に「日本人は外国人を嫌いだ」という認識が定着し、 優秀な若い外国人、特にアジアの若者が日本を目指そうという気にならなくなることです。日本 が好きで来たのに、「脱亜入欧」の価値観で欧米の人たちより下に見られ、悲しみが反発や怒りに変わってしまうと感じています。幸い、信州大学に来ている留学生に聞くと、松本でそうした 差別を受けた人は少なかったということですが、かつて信州大学で最も多かった中国の留学生は、優秀な層がアメリカや韓国を目指すようになり、現在はベトナムの留学生がそれに代わっているといいます。
これから松本市が豊かな街づくりを進めるためには、外国由来の人たちとWinWinの関係を作り、 彼らの多様性や世界との繋がりを生かして、新たな仕事や産業を生み出していく必要があります。 外国由来の人たちと共に生きるため、松本市は、教育・就労・社会保障といった面で、国の先を行く取り組みをしていくべきだと考えます。
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