沖縄が求める日米地位協定改定

沖縄のアメリカ軍関係者が20歳の女性の遺体を遺棄したとして逮捕された事件で、安倍総理大 臣と会談した、沖縄県の翁長知事は、「いまの日米地位協定のもとでは、日本のアメリカからの独立は神話だ」と述べ、日米地位協定の改定を求めました。 在日米軍基地の75%近くが集中している沖縄で、凶悪事件が起きるたびに浮上する、日米地位協定の改定とは何なのでしょうか?

日米地位協定は、日本国内に駐留しているアメリカ軍の基地や兵士らの「特別な地位」について定めた日米間の条約です。第17条で、アメリカ軍の基地内や公務中の事件は、アメリカ軍に優先的な「裁判権」があるとされ、容疑者の日本への身柄の引き渡しは検察による起訴が行われた後などと定められています。逮捕された男は、いま兵士ではありませんが、基地で働く「軍属」と 呼ばれるアメリカ軍の関係者で、協定の適用対象になるとされています。 ただ、今回の事件は、基地の外で公務と関係なく起きたもので、すでに男の身柄は日本の警察が確保しています。それでも、沖縄県知事らが日米地位協定の改定を求めるのは、こうした不平等な取り扱いが、沖縄県民の人権を侵害して凶悪事件の温床になってきたと考えているからです。

今から21年前の1995年、アメリカ軍の兵士3人が12歳の女子児童を暴行監禁した事件が起きました。日米地位協定によって容疑者3人が日本側に引き渡されなかったことに対し、沖縄県民の反米感情が爆発し、8万人を超す県民が参加する抗議集会が開かれました。

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沖縄が求める日米地位協定改定
NAVER まとめ

それでも、日本政府は、協定を改定することには終始消極的でした。アメリカは世界のさまざまな国に基地を作って駐留し協定を結んでいましたが、結局、日米地位協定の文言には手をつけず、その都度運用を改善するとして決着を図りました。 当時、沖縄県知事だった大田昌秀さんは、「再発防止を真剣に考えるならば、アメリカ兵の好き勝手を許している日米地位協定を真っ先に変えるべきだ」と主張しています。

「米軍いる限り事件防げぬ」 大田元県知事、全基地撤去訴え

沖縄が求める日米地位協定改定
琉球新報

この数年、沖縄と本土の国民の意識に大きな隔たりがあることが指摘されています。その象徴がメディアの報道です。沖縄の琉球新報は、次のように激しい言葉で歴代の政府を非難しています。「なぜ繰り返し繰り返し、沖縄は、悲しみを強いられるのか。もう限界だ。今のままの沖縄であってはいけない。沖縄は、まさに現在進行形で『戦場』だと言いたい。日ごろ戦闘の訓練を受けている他国の軍隊がこれほど大量に長期に小さな島に駐留し続けることが、問題の淵源だ。沖縄を軍事植民地として扱い続ける日米両政府の姿勢が間違いなのである」。

アメリカ軍をめぐる沖縄と本土の落差。そこに目を向け、真剣に受け止めなければ、沖縄県民の怒りがさらに先鋭化していく状況が迫っています。


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