若い広場 楽しドラマ 夢溢らむ 青い空

プァン、プァン、プァ〜ン、プァン、プァン、プァ〜ン、プァン、プァン、プァ〜ン、プァ。愛の言葉をリル・・・。このフレーズで始まる朝ドラ「ひよっこ」は、毎朝、僕の涙腺を緩ませています。50代となった自分自身の人生と重なり合うセリフやシーンが多いからですが、いまの若い世代の人たちにも共感してもらえるはずだと思いながら観ています。

若い広場 楽しドラマ 夢溢らむ 青い空

僕が松本の高校を卒業して上京したのは、1982年。ドラマの設定より15年あまり後になりますが、主人公・谷田部みね子の親友、女優になる夢を持つ助川時子が、みね子が同じ会社に就職することになったと聞いたとき、「ひとりで東京に行くの、怖かったから。自信なんかないし、強がっていたけど」と泣きながら話す気持ちは、よくわかります。大学浪人が決まると、絶対に第1志望の大学に入るからと言って、両親に東京行きを認めてもらい、埼玉の南浦和にあった長野県の学生寮に入りました。毎朝、満員電車に揺られて御茶ノ水の予備校に行くと、我が物顔で教室を占拠する東京の私立高校出身者が眩しく見えました。そんな心細い状況で何とか目標を見失わずに済んだのは、同じ寮に入った高校の友人3人が近くにいたからだったと思います。週に1回、安い食材を持ち寄って鍋をつつきながら、勉強の進み具合や将来の志望を語り合いました。いま思うと、「東京に負けないでいこう」という地方出身者の矜持を互いに確認していたような気がします。

若い広場 楽しドラマ 夢溢らむ 青い空

僕の涙腺を緩ませているのは、「古き良き日本の情感のようなもの」なんだと思います。親子や兄弟や友人や師弟が「お互いを尊敬し、心を許し、労わり合う関係」は、今でも求められているものであることを再確認させてくれます。みね子が旅立つ前日、母親の美代子が「これなら東京でも恥ずかしくなんかねえはずだ」と手作りの赤いコートを渡すシーン。みね子から「お姉ちゃんが今までやってきたこと、あんたらがやんなきゃなんねえ。わかっけ」と言われて、妹弟が真剣に頷くシーン。祖父の茂が「本当に困ったときのために取っとけ。靴下の中さ、入れてけ」と1万円札が入った袋を手渡すシーン。これらは、倉本聰さん脚本の名作「北の国から」のオマージュのようにも見えます。日本が経済的に豊かになった現在、同じような金銭感覚やモノの有り難みを感じることは難しいでしょうが、経済は重要である、同時に経済以外のところに人生の価値がある、という逆説的な真理に改めて目を向けさせてくれます。昭和が終わったあと、バブルの狂騒とデフレの憂鬱を経験し、共有する目標を見出すことができないでいる日本人が、どこに向かって進むべきなのか。その手がかりを与えてもらっているように思います。

若い広場 楽しドラマ 夢溢らむ 青い空

主題歌「若い広場」を作詞作曲した桑田佳祐さんは、「自分自身の人生を今一度辿っていくような感覚と共に、夢と希望に溢れた日本の未来に思いを馳せながら、歌詞を綴りました」とメッセージを寄せています。「若い広場 楽しドラマ 夢膨らむ 青い空」。昔は良かったという懐古趣味ではなく、独りよがりで時代錯誤の夢物語でもなく、大切な人たちと肩寄せ合い希望に燃える状況をつくること。それが、いまの日本の政治、とりわけ地方都市の政治に求められる役割だと思います。そして、それは松本でこそ実現できるのではないかと考えています。東京へ旅立つみね子がバスの最後部で家族を見えなくなるまで見送って振り返ったときの目差しは、僕にとって大きなヒントです。


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